ハビトの門
2009/06/12 14:30
イアンは駆けた。鬱蒼と茂る森の中を。もうすぐ日が暮れてしまう。夜になれば、この辺りには銀狼の群れがあふれ出してくる。何とか日が暮れる前に城塞都市ハビトにたどり着かなければならない。日が暮れればハビトの門は閉ざされ、朝日の昇るまで決して開くことはない。
イアンは森を抜けて草原に飛び出した。ハビトの城壁が夕焼けに染まっていた。その時、銅鑼の音が鳴り響いた。後数分で門は閉じられるだろう。イアンは甲冑や剣を投げ捨てたい衝動に駆られた。こんなものがなければ十分間に合うのに!
しかし傭兵であるイアンに商売道具を捨て去ることはできない。
門が動き出した。閉じようとする扉の隙間をワラワラと人々がすり抜けていく。もう間に合わない。諦めたイアンは残りの行程を歩き出した。門にたどり着くと城壁を背にして腰を下ろし、火を起こす。
銀狼の群れなど怖くはないが、徹夜続きの身体は寝床を恋しがった。今夜は長い夜になりそうだ。
イアンは森を抜けて草原に飛び出した。ハビトの城壁が夕焼けに染まっていた。その時、銅鑼の音が鳴り響いた。後数分で門は閉じられるだろう。イアンは甲冑や剣を投げ捨てたい衝動に駆られた。こんなものがなければ十分間に合うのに!
しかし傭兵であるイアンに商売道具を捨て去ることはできない。
門が動き出した。閉じようとする扉の隙間をワラワラと人々がすり抜けていく。もう間に合わない。諦めたイアンは残りの行程を歩き出した。門にたどり着くと城壁を背にして腰を下ろし、火を起こす。
銀狼の群れなど怖くはないが、徹夜続きの身体は寝床を恋しがった。今夜は長い夜になりそうだ。